研究活動

在学生・修了生の声

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特定の学部に基礎を置かない大学院なので、学内から進学する学生ばかりではなく、
社会人や留学生が目立つのも本学の特色です。

在学生の声

演者の視点から「沖縄民謡」を研究

古里 友香

私は関東の沖縄出身者集住地区での「沖縄民謡」を研究しています。社会人として沖縄の歌三線の教室を運営しながら、演奏者として沖縄民謡を普及する活動も行っています。研究にあたり自身を取り巻く世界だけでなく、広く民俗学や歴史学の蓄積や資料を通して体系的に考える力をつけたいと思い入学しました。アカデミックな現場から離れた世界にいたため入学時は不安でしたが、見識深く柔軟な考えの先生や優しい助手の方の親身なアドバイスを受けながら、腰を据えて研究に取り組めています。自身の分野と一見関係がないと思われるようなことであっても点と点が線で繋がる瞬間があり、「知る・発見する」喜びを日々感じられる環境です。
(博士前期課程 在学)



広い視野で学ぶ

日座 久美子

私は近世の村と百姓を調査し、先祖が武士であるという由緒や百姓の軍事行動について研究しています。当時の生活や人々の行動を理解するためには、多角的な視点が必要です。歴史民俗資料学研究科には、歴史学・民俗学という枠を超えて自由に学べる環境があり、新たな発見を与えてくれます。また、古文書修復実習など実践的な能力を習得できる授業が充実し、ここでしかできない学びがある、ということも大きな魅力です。私は、長期履修制度を利用することで、働きながら博士前期課程を修了することができました。こうした大学のサポート体制は、大学院進学を望む社会人にとっても大きな後押しとなるものだと思います。
(博士後期課程 在学)

図像資料を読み解く

石井 和帆

私の研究は明治・大正に刊行された雑誌の『風俗画報』に収録された挿絵の研究です。挿絵に描かれた人物やモノを分析・読解し、それらが当時の風俗を反映しているのか、そして歴史民俗資料として価値の高いものなのか実証を試みています。歴史と民俗、二つの学問から多角的な視点で資料にアプローチすることで、描かれた背景などが浮き彫りになり、とても面白い結果が得られます。また、研究以外では、様々な現地調査に参加させていただき、知識だけではなく実践を通して技術や経験を習得することができました。この研究科で体験すること全てが未知の経験で、日々楽しく様々なことを学ぶことができています。
(博士後期課程 在学)



チベット仏教仏画を探究

張 曉琳

私は仏教民俗学、審美人類学の視点からチベット仏教仏画であるタンカを調査・研究しています。歴史民俗資料学研究科では、各分野の第一線で活躍されている先生方が非常に丁寧な指導をして下さいます。実習の授業も豊富で、調査実習を通じた実地調査方法のほか、日本常民文化研究所所蔵の資料を利用して民具測定、古文書の修復や解読も勉強できます。年に数回開催される研究会には、院生も自由に参加することができ、研究者としての経験を積むだけでなく、多分野の研究者と交流する機会にもなります。近年は、さまざまな国の人々が本研究科で勉強しています。研究室では、学年、専門、国籍、民族を問わず、いつも集まって交流しているので、充実した大学院生活を送っています。
(博士後期課程 在学)

修了生の声

現場で役立つ知識と方法

徳島県立博物館学芸員(民俗担当) 磯本宏紀

「歴史学」や「民俗学」という既存の枠組みからではなく、目の前にある資料の精確な観察と分析から新しい何かを見つけることができる、これが多くの歴民生のナチュラル・スタイル。そんな歴民で出会う仲間はまじめな個性派ぞろいでした(私の場合)。自由な発想、奇抜な展開が推奨(?)される研究科でした。そこで身についた姿勢が歴史系と自然史系の多分野が同居する今の職場でも、生きているのかもしれません。
(2001年度 博士前期課程 修了)

様々な視点で、実践力を養う

三原市歴史民俗資料館 学芸員 三好 周平

歴史民俗資料学研究科のカリキュラムでは、歴史学や民俗学また非文字資料学といった、地域を形成する学問領域を包括的に学ぶことができます。自分の専門分野に加え、幅広い領域に関する知識を得ることができる点、そして実習を通じて資料の活用方法を体得できる点が、歴民の特色であると思います。研究科で学んだ内容が相互に深く関わっていることを、現在の職務の中で改めて認識しています。
(2013年度 博士後期課程 単位取得満期退学)